サブリース問題の背景

「長期一括借上げ方式」のアパート専業会社が大きい利益を上げたため、他のハウスメーカーや建設会社などが一斉にこれに参入し、相続対策も相まって、人口減少の中でアパートの乱立し既存のアパートの空室率は年々高くなり地方の物件は空室50%以上も珍しくない。大手専業会社も「一括借上げ方式」の管理では利益をほとんど上げておらず、利益の80%は建物の建築で稼いでいる。このためサブリースを行って長期的に利益を確保するのではなく、家賃保証をセールストークに建物を建てさせることが目的となっている。サブリースによる賃貸住宅経営を「相続税対策」といったセールストークによりこれまで大家経験のない人々に対して売り込み、家賃変更や契約打ち切りがある旨を明確にしないまま契約に至り、後にトラブルとなる事例が数多く存在する。しかし、賃貸住宅経営における家主は一般の不動産売買における「消費者」ではなく、あくまで「事業者」であり、サブリース契約は事業者同士の契約なので、契約内容の詳細に関する確認を怠っても、事業者(家主)の責任とされてきた。

1.「サブリース経営支援顧問契約」の締結促進活動

目的:

  • 適切な助言及び交渉を行う
  • 衡平の原則に基づく「特約」の充実を図る。

現在のサブリース契約は、長期的に家主の利益を保証する契約ではない。
空室、家賃相場下落が起きた場合を避けるため数年毎に見直す条項を入れており、超長期の家賃保証を避ける体制をとっている。
オーナーと借上げ会社との見直しでトラブルが多発しているが、殆どオーナー側が譲歩せざるを得ない場合が多い。建築後に空室が多く賃料減額を受け入れた結果、建物建築費の借入金が払いきれず最終的に土地建物を手放す事例も出てきている。事例のなかには資産を全て処分した結果、借金だけが残っている例も存在している。衡平の原則を基に専門的な立場から運営支援を行い、オーナーが不利益を被らないようにする。その為、経営・建築問題全般について、適切な助言及び交渉を行う。〔交渉はそれぞれの士業専門家が担当〕

2.新賃貸借契約書・新更新賃貸借契約書の普及(特約)

◆衡平の原則に基づく「特約」の充実を図る。
(JROサブリース総研編)

  1. 事業収支計画と現実の収支が齟齬した場合の差額を損害と推定する規定の導入
  2. 賃貸借契約書特約条項に契約の基盤となった「事業収支計画」を遵守する旨を
    記載
  3. サブリース業者からの家賃減額請求、契約更新時の新家賃取り決めにおいては融資金融機関との三者協議とする
  4. サブリース業者からの期間内の契約解除は、融資金融機関との三者協議とする
  5. サブリース業者と一定の提携関係にある建築業者の連帯責任を求める

この提案(特約)は新規賃貸借契約、更新賃貸借契約において双方の合意で可能である。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)