やっとアパート建設バブルにストップがかかる ~急増したアパート、不動産オーナーはどうする?~

2017年12月27日の日経新聞記事「アパート建設熱、冷める 貸家着工6カ月連続減 」の冒頭、次のような報道がありました。

急増したアパート建設に歯止めがかかり、家賃下落や空室増への懸念が強まってきた。

この記事には、当センターの事例も紹介されていますが、“建設バブル”ともいえる状況において、不動産オーナーはどのように不動産投資と向き合うべきなのか考えてみたいと思います。

空家や人口、世帯数などの現状把握

不動産投資を行うにあたり、まず我が国の現状を知る必要があります。

2013年の時点で空家は820万戸、空家率13.5%でした。そのうち、貸家は50~60%と言われています。

一方で、人口は2008年をピークに減少しています。

人口が減少すれば、空家が増加するのかというと、概ね間違いではありませんが、世帯数という数字を確認する必要があります。

3人でも1世帯、独身でも1世帯です。大まかに言えば、家族が何人いても、一緒に住んで入れば、1世帯です。1世帯に対して、1住居という考え方です。

それでは、世帯数はどうなっているでしょうか?

世帯数は、2019年にピークを迎えると予想されています。そろそろ、世帯数も減少していくということです。

さて、ここまで記載したデータは、特別に手に入れたデータだと思いますか?

実は、ここまで記載したデータのすべてが、以下の政府系が発表しているデータなのです。

誰しもが手に入れることができるデータなので、不動産オーナーは一度ご覧になっておくと良いでしょう。

空家増加と家賃下落の関係(悪循環)

空家が増加すると、家賃が下落するのでしょうか?

建物は、経年劣化していきます。設備も古くなってきます。新築当時と同様な家賃では、入居してもらえなくなります。また多くの場合、銀行から融資してもらい、アパートを建設しています。空室が増加すると、銀行への返済が厳しくなります。

銀行に対して、返済できなくなると、一大事です。そのため、多少家賃を少なくしても、空家を埋めようとするわけです。

1つの物件で家賃が下がると、その周辺の物件では、自分の物件に空家が増加します。空家が増加した物件では、家賃を下げます。これでは悪循環です。

急増したアパート建設に歯止めがかかる前から、すでに家賃下落や空室増への懸念は存在していたことになります。つまり、2017年5月まで19ヶ月連続でプラスを記録する前から問題が存在していたことになります。ということは、急激に世帯数や人口が増加しない限り、ますます空室が増加することは明白であると考えます。

不動産オーナーは、このような状態で不動産投資をしていることを理解する必要があります。

株式投資と違い、不動産投資は経営である

さて、このような現状においても、不動産投資にするためには、不動産投資を株式投資のようなペーパー投資と同様に考えるべきではありません

不動産投資については、不動産賃貸業の事業を経営しているとの意識を持って、取り組んでいただきたいと考えています。なぜなら、不動産投資は入居してもらってはじめて、お金が入ってくる事業だからです。

そもそも、不動産オーナーが何もせずにお金が入ってくるということはありえません。サラリーマンのように決められた時間を働く必要はありませんが、不動産投資を行いたいのであれば、最低でも次の5つを行なってから、不動産投資を行っていただきたいと思います。

不動産オーナーがやるべき5つのこと

  1.  不動産賃貸業の勉強をする。
  2.  不動産の売買の勉強をする。
  3.  情報交換できる仲間を作る。
  4.  不動産賃貸業の事業ととらえ、経営する意識をもつ。
  5.  不動産賃貸業を行うにあたり、信頼できるパートナーを見つける。

上記に示した5つ以外にも知るべきこと、やるべきことは数多く、ここに示したことだけでは到底足りません。勉強することも数多いです。不動産に関する法律も理解しておかなければなりません。自ら行動しなければならないことも数多いです。

確かに、こういった“建築バブル”状況下でも、不動産投資を順調に行われている方は沢山います。しかし、そういった方々は、表面に現れないところで、上記5つのこと以上の努力をしています。ですから、管理会社に丸投げすれば、お金が入ってくる夢のような話ではありません。むしろ、泥臭い仕事です。

まずは、「お金が儲かるから」といった安易な考えではじめるのではなく、計画的に行ってもらいたいです。

すでに所有している方、建設した方は、今からでも遅くありません。まずは、上記に示した5つを行うことができる状況であるか確認してみましょう。

株式会社ディメーテル
代表取締役 岡田文徳

岡田 文徳 プロフィール

大家のための資産承継コーディネーター/株式会社ディメーテル 代表取締役社長/サブリースオーナー会 副会長/宅地建物取引士/家族信託コーディネーター®/J-REC公認 不動産コンサルタント/J-REC公認 相続コンサルタント/

J-REC全国事例研究会、東京大家塾、千葉大家倶楽部などで講演多数。また「家族信託実務ガイド」や「家主と地主」においてのインタビュー、さらにABC朝日放送に出演。NPO法人日本住宅性能検査協会にてコラム連載中