物件の売買、検査済証の確認 ~銀行融資に影響、借り換えも不可能~

建物を購入するときには、「検査済証」があるかどうかを確認しておくことが必要です。

当初は「検査済証」があるという話が、実際には完了検査を受けていなかったり、この「検査済証」そのものが無いということも少なくありません。特に古い物件に良くある例です。

これは銀行の融資に影響します。資金繰りの上でも重要な条件になりますので、建物購入時の「検査済証」の確認は必要です。

事例:シェアハウスとして運用していた物件を購入、実は自治体から是正勧告を受けていた

築25年の既存住宅を活用し、シェアハウスとして運用されている物件を購入したところ、後になってから自治体から是正勧告を受けている事が判明し、シェアハウスとして必要な要件を満たしていないため、営業をしてはいけない状態でした。

違法性のある物件では、営業も出来ない、売却もできないという大きな問題がなります。さらに銀行が担保としてその価値を認めないので、借り換えも不可能です。まさに「検査済証」の確認を怠った結果と言えるでしょう。

最近では「民泊」と称した違法な宿泊施設の営業なども横行しています。自分では賃貸業を営んでいたつもりが、勝手に宿泊施設として転貸し(サブリース〕されていたというケースもあります。

「検査済証」交付、平成11年以前は半数以下

建築基準法において、建築主は、工事完了後、建築主事又は指定確認検査機関による完了検査を受けて「検査済証」の交付を受けなければなりません。

しかしながら、平成11年以前では、この「検査済証」の交付を受けていない建築物が半数以上を占めていたようです。ほとんどのパターンが、建築確認を受けて着工し、竣工後に完了検査を受けていない状況でした。当時、完了検査を受けなくても、融資には影響が無かったことも影響していると考えられます。

最近では、国交省から「検査済証」が無いものは融資を控えるようにとの通達があるため、「検査済証」は発行される傾向にあり、以前に比べて問題は減っていると思われます。

「住宅」として取扱う場合の要件を満たす必要がある

既存住宅を活用してシェアハウスへ転用する場合において、一定の要件を満たす建築物については、建築基準法上「住宅」として取扱うことになります。

その場合、次に掲げるすべての要件に該当することが必要です。

「住宅」として取扱う場合の要件

  • 建築基準法上適法(既存不適格を含む)な「住宅」と同等であること。
  • 階数が2以下であること。(地階を有しないこと。)
  • 原則として延べ面積が200平方メートル未満であること。(別棟を除く。)ただし、建物の周囲に広い空地があるなど安全上、防火上及び衛生上支障が無いと認められる場合は300平方メートル未満とする。
  • 構造耐力の低下を招く恐れのない計画であること。
  • 住宅内で火気を使用する場合は、自動消火装置等の安全機能を備えた機器を使用すること。
  • 入居者が建築物内の各居室から敷地外に安全に避難できる経路が確保されていること。
  • 定員が7人を超えないこと。
  • 既存の浄化槽がある場合、定員が処理対象人員を超えないこと。
  • 一の部屋の中を間仕切り等により区切り、各居住者の就寝室とするような空間構成としないこと。ただし、各就寝室が全ての法規定を満足する場合はこの限りで無い。
    ※間仕切り等には、天井に達していない間仕切り、凸凹を付けて空間を上下に区画するもの、壁・床・天井により二段に区画された空間を設けるものを含む。
  • 開設にあたっては、事前に特定行政庁に計画について協議を行い、前号までの規定に適合していることの確認を受ける。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)