契約期間中、家主からの原状回復のための退去依頼について

契約がもうすぐ終了するのですが、家主から「原状回復をしてから明け渡してもらう必要があるので、契約終了日の1週間前には退去して欲しい」と言われました。
確かに、契約書には、そのような記載があるのですが、契約期間中なのに、家主の言うように退去しなければならないのでしょうか?

  • 本Q&Aは、あえて入居者の立場からの質問形式となっています。
  • アットランダムな質問で、現実に即した知識の吸収を目指しています。
  • 入居者から高評価をもらい、行列の出来るアパートを目標としています。

「原状回復義務」というものが、いつ発生するのかを考えれば、家主の主張が間違っていることは明らかです。

時系列から言えば、次のようになります。

「契約期間終了」→「物件明け渡し義務発生」=「原状回復義務発生」

つまり、原状回復義務は、契約期間が終了しなければ、そもそも発生しない義務なのです。

また、借主は、契約期間中、使用収益する権利を持っています。(家主から見れば、使用収益させる義務が、)契約期間中に原状回復期間を含めるとすれば、契約期間中にもかかわらず、使用収益することができなくなりますので、使用収益することができない期間については、家賃を支払う義務が免除されます。

いずれの見方からしても、契約期間に、原状回復期間を含めるのは不当だということがお分かりでしょう。

従って、「契約期間に原状回復期間を含める」こと自体が不当ですので、このような契約内容自体、不当な契約内容であり、公序良俗に反する規定(使用できないのに家賃を支払うことになるため)であり、無効といえるでしょう。

2001年4月以降に契約した場合には、消費者契約法によって、「消費者の利益を一方的に害する条項」としても無効となります。そこで、契約期間中は退去する義務がありませんし、家主の主張に従って退去したとしても、その期間中の家賃は支払う必要はありません。