地方銀行とCSR(企業の社会的責任)(2)~ ブランド価値(企業価値)の向上と経済的責任を果たす ~

現在、地域金融機関は地元経済と深くかかわり、地域貢献活動などにも取り組んでいる一方、最近では、次のような経営課題が重要となっています。

  1. 営業地域との更なる密接な関係の構築
  2. 他の金融機関との差異化
  3. 環境報告書、CSRレポートなどの非財務的情報の開示など

その解決策として、従来よりも戦略性を持った環境配慮型経営やCSR経営を展開し始めてきています。つまり、「本業に組み込まれたCSR」へと質的に変化しつつあると言えます。

企業と株主、従業員、顧客、地域社会等と「Win-Win」の関係を構築するための経営戦略は、ブランド価値の向上と経済的責任を果たすという目的のもとで構築されなければなりません。

社会の「公器」としての銀行

企業が社会の一員として存続する以上、最低限守らなければならない倫理や責任が課せられていますが、

その一つに“法令を守る”ということがあります。もし仮に法令を破った場合、企業に対する批判は、現在とてつもなく大きなものです。

法令を遵守することは、企業が社会においてビジネスを行っていく上で前提条件の一つです。そして単に法令を守るだけでなく、法令では規制されないが、企業が進んで自ら果たさなければならない責任もあります。これには、銀行は、社会の「公器」であるとの深い認識がなければなりません。

最近のバブル傾向にある不動産業界へのあまりにも過剰な投資は、この認識の欠如の成せる業(わざ)なのかもわかりません。

企業価値の向上

CSRを実施する意義は,企業価値の向上にあります。ただし,企業価値は適切に管理される必要があり,高度なブランド戦略,人材育成をはじめとしたサポート体制の構築の整備が不可欠となってきます。

今後、CSR経営を実践している金融機関が、企業価値を向上させるためにどのような戦略を展開していくのか、注目されます。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)