国土交通省、民法改正 ~「賃貸住宅標準契約書(再改訂版)」に関するパブリックコメントの募集を開始 ~

国土交通省が「賃貸住宅標準契約書(再改訂版)」に関するパブリックコメントの募集を開始したようです。(e-Gov「パブリックコメント:意見募集中案件詳細」)。

留意事項のポイント

今回の民法改正では、

  • 連帯保証人の極度額の設定
  • 居室の一部滅失等による賃料の当然減額
  • 原状回復ルールの明文化 等

といった賃貸住宅に係る大きな改正点があります。

実務での留意事項のポイントとしては、「賃貸住宅標準契約書(再改訂版)」第9条第4項の借主による「修繕権」の規定が挙げられます。

これは「貸主が正当な理由なく修繕を実施したいときは、借主は自ら修繕を行うことができる」というものです。

賃貸住宅標準契約書(再改訂版)
(契約期間中の修繕)第 9 条 甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合の修繕に要する費用についてはおいて、乙の責めに帰すべき事由故意又は過失により必要となったものは乙が負担し、その他のもの修繕に要する費用は、乙甲が負担するものとするしなければならない。

2 前項の規定に基づき甲が修繕を行う場合は、甲は、あらかじめ、その旨を乙に通知しなければならない。この場合において、乙は、正当な理由がある場合を除き、当該修繕の実施を拒否することができない。

3 乙は、本物件内に修繕を要する箇所を発見したときは、甲にその旨を通知し修繕の必要について協議するものとする。

4 前項の規定による通知が行われた場合において、修繕の必要が認められるにもかかわらず、甲が正当な理由なく修繕を実施しないときは、乙は自ら修繕を行うことができる。この場合の修繕に要する費用については、第 1 項に準ずるものとする

予想されるトラブル

これは従前でも判例などでは認められていた解釈ですが、今後はこの点が明文化により、本当に修繕が必要なのか、借主が勝手に修繕したり、どこまでの範囲かなどのトラブルが予想されます。

また、トラブルについては賃料の減額規定の改正も減額請求から当然に減額になり、それが協議事項に委ねられたことにより、「滅失」の判定や「その他の事由」の見解でのトラブルが予想されます。

昨今の自然現象の変化で地震、大雨、風雪などの危害を現実のものとして、賃貸借契約書で対応できるように、基準や対応策を取り決めておくことが必要です。