住宅宿泊事業法の概要(2)

住宅宿泊事業者(ホスト)に課される義務

■都道府県知事に届出
■虚偽の届け出には6月以下の懲役・100万円以下の罰金

都道府県知事への届出を行わなければならないなど、様々な規制がなされています。

その内容を見ていきましょう

都道府県知事への届出(第3条)

民泊を行うホストは、民泊を行おうとする住宅ごとに、都道府県知事(保健所を設置する市または特別区においては、市長・区長)への届出が必要になります。

住宅宿泊事業を行うためには、都道府県(保健所設置市を含む)に届出を行う必要があります。

第三条 都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区(以下「保健所設置市等」という。)であって、その長が第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理するものの区域にあっては、当該保健所設置市等の長。第七項並びに同条第一項及び第二項を除き、以下同じ。)に住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者は、旅館業法第三条第一項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる。

 前項の届出をしようとする者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごとに、次に掲げる事項を記載した届出書を都道府県知事に提出しなければならない。

 商号、名称又は氏名及び住所
 法人である場合においては、その役員の氏名
 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名)
 住宅の所在地
 営業所又は事務所を設ける場合においては、その名称及び所在地
 第十一条第一項の規定による住宅宿泊管理業務の委託(以下単に「住宅宿泊管理業務の委託」という。)をする場合においては、その相手方である住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項
 その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項

届出にあたっては、

  1. 自らの氏名、住所等の情報、
  2. 管理業務を委託する住宅宿泊管理業者の情報、
  3. 住宅の図面等物件に関する情報、及び
  4. 省令で定める情報を一緒に提出する必要があります。

届出をすればよいだけで、「許可」までは必要ありません。決められた内容をしっかりと都道府県知事に届け出るようにしてください。

また、これまでの議論からすると、これらの手続きについてはインターネットを通じて届出でも可能と考えられます。

ただ、住宅宿泊事業者が、当該住宅等を民泊に利用できる権利を有するのか否かの確認がなされます。

自宅 不動産登記簿
アパート 賃貸借契約で民泊利用が許されているか。
分譲マンション 管理規約上、民泊利用が許されているのか

これら、確認するための書面()の提出も求められると思われます。
(不動産登記、賃貸借契約書、管理規約)

代行業者への委託(第11条1項)

■ 国土交通大臣への登録

管理業者の登録要件は、具体的には省令で定められることになっています。

登録に当たり、一定の財産的基礎、業務遂行体制を備えることが求められるようです。なお、営業保証金を予め供託することや、国家資格を有する者を選任することまでは求められていないようです。

第十一条 住宅宿泊事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行うときは、この限りでない。

 届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める居室の数を超えるとき。
 届出住宅に人を宿泊させる間、不在(一時的なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを除く。)となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離その他の事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合として国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く。)。

 第五条から前条までの規定は、住宅宿泊管理業務の委託がされた届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者については、適用しない。

(登録)

第二十二条 住宅宿泊管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。

 前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う住宅宿泊管理業とは、定期清掃や苦情処理などの管理業務を報酬を得て実施する営業を指します。

第三十四条 住宅宿泊管理業者は、管理受託契約を締結したときは、委託者に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅
 住宅宿泊管理業務の実施方法
 契約期間に関する事項
 報酬に関する事項
 契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容
 その他国土交通省令で定める事項

以下のような場合には、ホストが住宅の管理を行うのが難しいため、管理業務を代行業者(住宅宿泊管理業者)に委託しなければならないとされています。

  • 届出住宅の数が、一定数を超える場合(一定数は、今後省令により定められることになっています。)
  • 宿泊させる間、家主が不在にする場合(一時的な不在は除きます。)なお、家主が近隣に居住していて、住宅の管理を適切に行える場合として、省令で定められる場合に該当すれば、管理の委託は不要です。

つまり、ホスト自身が管理業者の登録を持っていない限りは、家主不在型民泊であれば、管理業者への委託は必須ということになり、また、家主在住型(ホームステイ型)民泊の場合でも、その居室数が多ければ、管理業者に委託する必要が生じるということになります。

現在行われている民泊は、今後、管理委託が必要になるケースは相当数に上ると予想されます。

住宅宿泊仲介業とは(第46条)

■観光庁への登録
■仲介サイトには違法民泊の掲載を禁止

住宅宿泊事業者の定義は、宿泊サービス提供契約(宿泊者に対する届出住宅における宿泊のサービスの提供に係る契約をいう。)の締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければならないとされています。(12条)

オンライン上でホストとゲストを結ぶプラットフォーマーの行為も、基本的にはこれに当たると解されます。

(登録)

第四十六条 観光庁長官の登録を受けた者は、旅行業法第三条の規定にかかわらず、住宅宿泊仲介業を営むことができる。

 前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

 前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

 第二項の登録の更新を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

(登録の申請)

第四十七条 前条第一項の登録(同条第二項の登録の更新を含む。以下この章及び第七十二条第二号において同じ。)を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を観光庁長官に提出しなければならない。

 商号、名称又は氏名及び住所
 法人である場合においては、その役員の氏名
 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名)
 営業所又は事務所の名称及び所在地

上記のとおり、届出住宅に関する仲介行為は、旅行業者か仲介業者にしかできません。また、仲介業者には、届出住宅を用いた企画旅行の造成・販売はできません。

なお、ホスト自身が旅行者を募集する行為自体は禁止されていませんが、旅行業法上、管理業者がホストのために旅行者を募集することはできないものと考えられます。

仲介業者の登録要件は、具体的には省令で定められることになっていますが、登録に当たり、一定の財産的基礎、業務遂行体制を備えることが求められるようです。その際、営業保証金を予め供託することは求められていないようです。