サブリース費用を10年間一括で支払い ~簡易宿所に用途変更~

京都の空き家問題解決の第一歩

どの都市でも空き家問題は深刻だが、京都市でも空き家の活用については重要課題である。

株式会社フラットエージェンシー(京都市空き家相談員)は、空き家活用公益財団法人京都景観・まちづくりセンター(京都市)から、空き家活用に関する依頼を受けた。

主な対象物件や条件は次の通り。

  • 一戸建て
  • 広さは80平方メートルほど
  • 昭和25年以前に建てられた物件
  • 回収費用は1000万~1500万円の金額がボリュームゾーン

空き家の改修費用をサブリースで解決

空き家の所有者は、賃貸に改修できるほどの資金を持っていないことや、わざわざ銀行にお金を借りたくないこと、資金を持っていても収益不動産に改修しようと考えないことがほとんどである。

そこで、フラットエージェンシーはサブリースする形で京都銀行などから改修費用を引き出すことに成功。一方、家主側には、改修費用を10年間で一括での支払とした。

つまり、家主側は、10年間のサブリース費用から改修費用を月々支払い、その残りの金額を受け取るだけでいいことになる。

改修後の用途は旅館業法・簡易宿所

フラットエージェンシーのこの提案は、家主たちから受け入れられ、これまでに700万~2000万円の範囲で実績を作っている。

ところで同社は、空き家を改修した後、事業として民泊を営んできたが、後に旅館業法・簡易宿所に用途変更。ホテルとして運営し、表面利回りで20%~30%を確保している。

旅館業法では、旅館業を次の4つに分類している。(参考:「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」(厚生労働省))

  1. ホテル営業:洋式の構造及び設備を主とする施設で人を宿泊させる営業
  2. 旅館営業:和式の構造及び設備を主とする施設で人を宿泊させる営業
  3. 簡易宿所営業:宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設で人を宿泊させる営業
  4. 下宿営業:施設を設け、1月以上の期間を単位として人を宿泊させる営業

フラットエージェンシーの場合、上記3番目の営業に該当する。

2018年施行予定の「住宅宿泊事業法」における年間営業日数180日の上限設定を考慮すると、同社が簡易宿所としてホテル運営に切り替えた点は、収益面で賢明な用途変更だったと言える。

今回の事例は、サブリースを活用した旅館業法・簡易宿所の成功事例とも言え、全国の空き家問題解決のヒントになるのではないかと思われる。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)