サブリース家賃減額請求トラブルの解決には「調停」を(5)~ 調停前置主義とは ~

八王子で2棟のアパートを経営しているAさん。2年毎に、サブリース管理会社から家賃の減額を求められています。

建築費用1億2千万の借入があり、これ以上の家賃減額は受け入れられないと申し出を断ってきています。契約解除をちらつかせ、余りに強硬なので「それなら裁判所に訴えてやる!」と憤っています。

はたしてAさんは、いきなり裁判を起こすことはできるのでしょうか。

賃料減額請求→②調停→③裁判

結論から申し上げると、賃料の増減額請求について当事者の協議が整わない場合は、Aさんは、すぐに訴訟を提起することはできず、まずは調停を申し立てることになっています。これを「調停前置主義」といいます(民事調停法第24条の2第1項)。

調停は裁判とは異なり、調停室のテーブルを囲んで、話し合いで問題の解決を図っていきます。

この際、法律委員(弁護士)のほか、サブリース問題専門調停委員が仲立ちをします(日本不動産仲裁機構ADRセンター:法務大臣認証裁判外紛争解決機関)。法律委員(弁護士)と調停委員は、法律的な考え方を取り入れながら実情に応じたアドバイスを行い、お互いの歩み寄りを促します。そこで合意に至ると、その内容を盛り込んだ「和解契約書」が作られます。

しかし、当事者の双方が合意に至らない場合、調停は不調となり終了します。この段階で訴訟を提起することができるようになり、正式裁判に移行します。

訴額により第一審は簡易裁判所または地方裁判所になります。

なぜ調停前置があるのか?

借賃増減請求に調停前置があるのは、地代・家賃の改定に関する争いが、事件の解決後でも貸主と借主という人間関係を継続させるので、信頼関係を破壊にならないようにするものとして当事者の話し合いで解決した方が良いと考えられているからです。

日本では圧倒的にサブリース管理会社が強くて(怖くて)、素人(家主)が賃料減額を拒否するのも難しい状況です。この『調停制度』を利用し、この「不平等」な状況を早く是正しなくてはなりません。

継続賃料ですので、賃料の事例から求める方法・従来の賃料の利回りをベースに、不動産価格の変動を反映させる方法・いままでの賃料といま新規に貸した場合の賃料との差額を適正(適当?)に配分する方法などがあります。

※賃料減額請求
時期:賃貸契約の更新時に限定されません。いつでも可能です。
理由:客観的に合理的な理由が必要です。
根拠法令:借地借家法第32条第1項

民事調停法 第二十四条の二

借地借家法 (平成三年法律第九十号)第十一条 の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法第三十二条 の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。
2  前項の事件について調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、受訴裁判所は、その事件を調停に付さなければならない。ただし、受訴裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)