サブリース家賃減額請求トラブルの解決には「調停」を(3)~ 調停人の役割 ~

日本不動産仲裁機構ADRセンターでは、調停人自らが判断を下したりはしません。

あくまで調停人は公正・公平の立場から進行役として、当事者同士の話を聞いて、論点を整理してチャート化、図式化したり、お互いの言い分が相手方に伝わるように言い換えたりするなどして、当事者同士が円滑に話し合いが勧められるようお手伝いをさせて頂きます。

調停人になるには

調停人になる為には資格が必要です。

日本不動産仲裁機構ADRセンターでは、ADRについて20時間以上の特別な研修を受けた専門資格保持者が調停人として参加します。

その時、調停人は次のような対応を行います。

  • 調停人として、法律的にどちらが正しいなど、法律的な判断をするわけではありません。
  • 職務上、色々な相談を受けることがあります。そこで培った経験を活かしながら、調停人として、両当事者の話し合いがスムーズに進むように手助けをします。
  • 守秘義務がありますので、話し合いの内容が外に漏れることはありません。

調停人の要件

調停⼈の要件は、法律上「紛争の範囲に対応して、個々の⺠間紛争解決⼿続において、和解の仲介を⾏うのにふさわしい者を⼿続実施者として選任すること」と規定されています

そして、ガイドラインにおいてこれを「和解の仲介を⾏うために必要な能⼒及び経験を有し,かつ公正性を疑わせる事情のない者」と定義し、具体的に下記の要件の充⾜を求めています(法第6条関係)。

  1.  法律に関する専門的能力
  2.  和解の仲介を行う紛争の分野に関する専門的能力
  3.  紛争解決の技術に関する専門的能力

指定調停⼈研修について

指定調停人研修を受けるためには、基礎資格が必要です(例:一級建築士等)。

なお、研修の内容は、次の通りとなっています。

指定調停人研修受講
(講習内容は「調停⼈研修規定」に準拠)

① 調停⼈としての法的知識に関する研修 7.5 時間
② 調停⼈としての⾯談技法及び調停技法に関する理論的研修 5.0 時間
③ 調停⼈としての⾯談技法及び調停技法に関する実践的研修 5.0 時間
④ 調停⼈としての倫理、活動に関する研修 2.5 時間

調停人候補者となる業務上のメリット
「信頼性の向上」

これまでは、不動産の調査や診断を⾏った際に、依頼者の求めに応じて紛争の相⼿⽅との和解交渉等の法的⽀援を⾏うことは、たとえ無償であっても基礎となる調査・診断⾏為⾃体が有償である以上、「弁護⼠法 72 条違反(⾮弁⾏為)」と判断される場合がありました。
しかし、法務⼤⾂認証ADRの調停⼈候補者となることで、最終的な和解のあっせんまでを正当な業務として実⾏可能となるため、依頼者からの信頼性が⾶躍的に向上します。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)