サブリースのメリット・デメリット(3)~ 自主管理の場合 ~

アパート経営も最初から成功が約束されているわけではなく、リスクはあります。そこで、アパート経営で大事なパートナーの管理会社について考えて見ましょう。

管理会社にも、得手不得手がある

管理会社を大まかに分類してみますと、

  • 入居付けに強い会社
  • 管理能力の高い会社、
  • 集金に強い会社、
  • メンテナンスが得意な会社

などに分ける事ができます。

特徴は様々あります。入居付けや集金は、オーナーにとって収入の確保につながりますし、管理能力はトラブル予防に関係します。さらにメンテナンスは支出の抑制に影響します。

こういった管理会社の特徴を知ることで、物件ごとのニーズに合う管理会社を選んで効率的な経営を行なうことができるようになります。

例:入居付けに強い管理会社の場合

あなたの物件の近隣に競合が多いとしましょう。その場合、空室が心配なら、入居付けに強い管理会社が最適と言えます。しかし駅近くなど立地がよい物件なら、入居付けをそれほど重視する必要はなく、別の問題点を見つけ、それを補完してくれる管理会社が良いと言えます。

空室を埋める斡旋力のある会社は何が違うのかといえば、ズバリ、行動力と提案力です。その様な会社は、まず空室になると「絶対早期に埋めるぞ」という雰囲気がヒシヒシと伝わってきます。

例:メンテナンスに強い管理会社の場合

物件が古い場合には、メンテナンスに強い管理能力を利用することで、頻繁に発生する修繕やリフォームにコストを抑えることが可能です。

修繕やリフォームの費用は、どんな工務店を選ぶかによって驚くほど違います。

こういうとき、メンテナンスに強い管理会社はコストパフォーマンスの高い工務店と付き合いがあるので、安価で質のいいメンテナンスができるのです。例えば、ビルメンテナンスに強い管理会社と弱い管理会社では、コストが2倍以上も違うことがあるので、注意する必要があります。

管理会社の修繕の勧めには冷静な判断が必要

管理会社によっては、長期的な見通しのない修繕を勧める場合もあるので、やはり注意が必要です。やみくもな修繕はお勧めしません。

例えば、物件の見栄が悪くなったことに気をするオーナーが「そろそろ外壁を修繕しようか」などと言い出したとしましょう。しかし、ここで大事なことは「費用対効果」です。見積りでは、外壁塗装にかかる費用は500万円。確かに修繕によって物件の魅力は高まりますが、500万円は必要経費かどうか、長期的な経営視点で判断を下す必要があります。

良心的な管理会社なら、競合物件などと比較した上で、「この地域の周辺物件もこんな感じですから、まだ修繕しなくても大丈夫ですよ」とアドバイスしてくれるところもあるでしょう。あるいは「空室が気になるのであれば、修繕費用の一部を広告料に回すと効果があります」といった助言を付け加えてくれるかもしれません。

マンション管理会社は管理組合の通帳の中身を知っている

日本住宅性能検査協会が実際に扱った事例に、管理組合や理事が無関心なことをいいことに、修繕積立金が3千万円あるから3千万円の根拠のない過剰な工事メニューを提案するという不誠実な管理会社もありました。

上記の事例は、管理組合側の責任も問われます。マンション管理会社は、管理組合の通帳の中身を知っている場合が多く、その金額に合わせた提案をしてきます。さらに、相見積もりをとるわけでもなく、管理会社一社特命で発注していると、その会社の言い値となる恐れがあり、結果的に割高になる可能性があります。

マンションの場合、最も費用がかかるのが大規模修繕工事ですが、出費は一回限りで終わるわけではありません。将来定期的に行われる改修工事に備え、無駄な出費をなるべく抑える必要があります。こういったコスト管理については、管理組合の意識が常に問われてきます。

サブリースのメリット・デメリット(2)~ サブリース契約では、修繕やリフォームはオーナー負担 ~」でもお話したように、不要な修繕やリフォームを避けるためにも、費用精査は第三者オピニオンの活用をお勧めします。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)