サブリースのメリット・デメリット(1)~ 敷金・礼金・更新料、免責期間について ~

サブリース契約でオーナーに支払われる賃料は、家賃の8~9割程度とされています。そうなると、オーナーは家賃がどのように設定されるのか、また、入居者からいただく敷金・礼金・更新料・保証金もどのようになるか、とても気になると思います。

空室対策で家賃を低めに設定

サブリース会社は、満室の賃料収入を基に計算しているため、なるべく空室が少なくなるよう、物件の賃料を相場より低めに設定します。サブリース会社自体は、多少家賃が低くなっても、一定割合を確保しているので安心なのです。

ただし、サブリース会社が設定する家賃は、長期事業収支計画書にある家賃とは無関係です。あくまでも、空室にならないような、現実的な家賃が設定されます。

敷金・礼金・更新料・保証金はサブリース会社が受け取り

敷金・礼金・更新料・保証金については、サブリース会社が受け取ります。入居者との賃貸借契約がサブリース会社と結ばれる性質上、物件所有者は契約の当事者ではないからです。

さらに入居者が退去した後の一定期間は入居者募集を行なう必要があるため、空室の家賃を保証しない「免責期間」とされています。免責期間は通常2ヶ月若しくは3ヶ月ですが、中には180日という長期に設定されていることもあるので注意が必要です。

たとえば家賃7万円(うちオーナーへの支払い6万円)、免責期間3ヶ月というサブリース契約を結んだ物件で、退去があったとします。1ヶ月後に入居が決まっても、オーナーに対しては3ヶ月の支払いが免除されます。1年の間に1度退居があっただけで、オーナーは自動的に年間収入の25%を失ってしまうことになります。

サブリースとその他のサービス

賃貸経営では一部の業務を委託するサービスが他にも存在します。

管理委託(集金代行)

管理委託とは、賃貸物件の建物の管理や入居者管理を管理会社に委託すること、管理委託料を支払い、管理業務(入居者管理や賃料回収など)を委託します。

賃貸経営で最も手間がかかるのは管理業務で、管理委託をする経営者は多いようです。

滞納保証

保証料を支払うことで、家賃の滞納時に保証会社から家賃を支払ってもらいます。

滞納保証は賃貸物件の管理を委託した先の管理会社が、集金代行業務のオプションとして行うことが多いシステムです。この保証システムは、空室時の家賃を保証したのもではなく、あくまでも賃貸借契約中の滞納家賃を保証したものです。

ただし、入居者に保証人を不要として、入居者負担で保証契約を結んでもらう形態が多く、大家側で滞納保証を利用することはそれほど多くありません

空室保証

一定の家賃収入を下回ったときに、不足分を保証会社に支払ってもらうか、空室時の住宅(賃貸マンション、アパート、戸建賃貸)の家賃を一定の免責期間経過後に支払ってもらうものです。契約の有無、滞納の有無に関わらず、毎月決められた金額を収入として得られます。空き室の家賃を一定額保証するサービスです。

参考:外部委託サービスの比較

サブリースと上記の外部依託サービスを比較すると、次のようになります。

サブリース 管理委託 滞納保証 空室保証
家賃からの費用 20%前後 5%程度 5%程度 15%前後
敷金・礼金等 サブリース会社 大家 大家 大家
空室時 保証あり 保証なし 保証なし 保証あり
滞納時 保証あり 保証なし 保証あり 保証なし
契約期間 2年~長期間 通常2年 通常2年 2年~長期間
入居者との契約 サブリース会社 大家 大家 大家
入居者管理 サブリース会社 管理会社 大家 大家

管理委託の一環として行われる場合は管理会社

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)