【投資マンション購入】新築ワンルームマンションは節税に不向き!? ~人が住んだ瞬間、価値が下落~

投資セミナー勧誘では「新築ワンルームマンションを区分所有して、オーナー事業を始めませんか」、こんな言葉が踊っています。

そういったセミナーには多くの若い会社員の方が参加しています。その方々は当然ノウハウがないので、独自で経営するのは難しいため、多くの場合はサブリース契約とセットになっています。

実は、そのサブリース経営では、殆ど利益を出すのが困難です。

レントロールがあるにしても不正確で、ましてや長期事業収支計画書の提出もありません。ローンの返済が終わるまではインカムはほとんど赤字になりますので、計画書としては作成出来ないのです。

「節税効果」「将来の年金代わり」のお決まりトーク(センターに持ち込まれた相談事例より)

当然、販売業者は分かっていますので、勧誘するうたい文句は、「節税効果」「将来の年金代わり」です。

本業の収入と損益通算することで、マンションのマイナスが所得税・住民税の節税効果をもたらすという点を根拠にしています。要するに「マイナスを出して所得税が下がる」「所得税還付」を狙っているのです。

給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が、年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納めすぎの所得税が還付されます。

マンションが赤字なら本業と損益通算した課税所得が減少するので、結果として一定の節税効果が生まれるのです。でもそれは一面しかみていません。(詳細については次の【サブリース経営】関連記事で解説予定です。)

高値で販売される「ワンルームマンション」

ところが、この販売方式のワンルームマンションは、ほとんど相場に比べて高額で販売されています。そのため、値下がりが激しいのが特徴と言えます。

新築時に2,800万円で購入した物件が、人が住んだ瞬間価値が下がると言ったこともありますが、5年後には1,500万円と急激に値を落とすことは珍しくありません。30年ローンなど返済期間が長い融資を受けていると、残債はなかなか減りません。購入から5年経っても、元金の返済は400万円程度です。ローン2,800万円のうち2,400万円が負債として残っていきます。

これでは、売りたくも売れません。この自己物件を売るためには900万円の自己資金(追い金)を用意しなくてはなりません。

経費として計上できるのは利息分だけ

黒字の不動産投資はインカムの節税にもつながりません。減価償却分は利益から差引く事ができますが、ローン返済のうち経費として計上できるのは利息分だけで、元金の返済分は計上できません。

赤字経営すれば本業の課税所得を減らして節税することも可能ですが、それでは本末転倒でしょう。利益を上げると課税されるのは当然と言えます。

不動産投資はもともと節税対策には不向きですから、節税をやりすぎるとかえって経営リスクが高まると考えるのが正解です。

テレアポから営業電話がかかってくるような物件は、失敗率が非常に高いので止めたほうがよいでしょう。

大谷昭二(日本不動産総合研究所所長)
(サブリース問題解決センター長)