「建物状況調査」を義務付け宅建業法を改正(2)~2018年4月宅建業法改正では賃貸仲介時も説明義務~

『建物状況調査』を義務付け宅建業法を改正(1)」でお話したように、宅建業法の改正により、2018年4月1日から仲介時に住宅性能調査(インスペクション)の結果の説明が義務化されますが、それに伴い、売買仲介だけでなく、賃貸仲介の契約業務にも影響を及ぼします。

今回はこの宅建業法改正が、賃貸時に与える影響について見てみたいと思います。

重要事項説明時に、インスペクションの有無を記入

来年4月から施行される改正宅建業法で実務が変わる点の一つは、重要事項説明時に、インスペクションの有無や調査概要を書類に記入し説明する必要があります。

これは、賃貸仲介の重説時にも該当するため、2018年4月以降の契約に関して、重説の前の時点で、仲介会社はまずオーナーにインスペクション済みの物件であるかどうかを口頭でもよいので確認する必要が出てきます。

さらに、調査の有無については、重説に記載する必要があります。調査済みの物件であれば「有」と記載し、あわせて調査の概要を重説に記載、もしくはその調査内容が分かる書類を添え、重説に「添付の書類に記載」とします。

国土交通省「建物状況調査の結果の概要」(PDF)

事実の不告知で、宅建業法47条違反

来年4月から施行される改正宅建業法では、売買だけでなく、賃貸時にも借主への説明が必要になります。その際、仲介会社は、調査内容の写しをオーナーから取り寄せ、書類に組み込む業務が追加されます。重説時には、借主に対して、調査内容がどうだったかを、言及することが必須となるのです。

もし、オーナーにインスペクションの確認を取るのが面倒で、確認を行うことなく重説にインスペクション無しと記載して借主に説明すると、事実の不告知として宅建業法47条違反にあたり、悪質な場合は業務停止にもなるので、注意が必要です。

仲介事業者によるホームインスペクションの斡旋

この改正宅建業法には、不動産のプロである仲介事業者が仲立ちすることでインスペクションを促す狙いがあります。そのため、仲介事業者に次のことを義務付けています。

改正宅建業法における仲介事業者の義務

  1. 媒介契約書に「建物状況調査の実施者をあっせんするかどうか」を記載すること
  2. 建物状況調査が実施されている場合(過去1年以内)は、その結果を重要事項として説明すること
  3. 建物状況調査の結果などを売主・買主双方が確認した場合は、売買契約書にその概要を記載すること

国としては、建物を購入する前に、買主側が建物の状況を確認できるようにし、中古住宅の流通促進の土台作りにしていきたいという考えのようです。